「ロスジェネの逆襲」は面白い

池井戸潤さんの「ロスジェネの逆襲」を昨夜読了。
面白い。読後のスカッとするあの爽快感。
「下町ロケット」からファンになった。
今回はIT業界が舞台。
多分、池井戸さんって忠臣蔵を研究したんだろうなあ。
日本人の琴線に見事なまでに触れてくれる。
ストーリーも緻密で飽きさせない。

企業が行う社員教育はなかなか成果が上がらないことで知られるが
こういう企業エンタメ小説で、ふつふつと燃えるものが生まれるほうが
よっぽど教育効果があるだろうなあと思う。
勉強するにも情熱がないと、成果なんか上がらないだろう。

氷のように冷たく人間を道具にしてくる世の中で生きていくには
信念と情熱が無いと生きていけるもんではないだろう。

円高と日中間の直接取引

今日は、スペインで銀行の取り付け騒ぎがおこり、ユーロ急落。
6月17日のギリシャ投票を待たずして、焦点がスペインに。
ドル円も79円割れ。
輸出企業がしんどい。株が上がらない、となる。

日銀、財務省でも1日で600兆は動く外国為替のマーケットの中では一参加者であり、介入してもその効果は持続しない。追加緩和策を2/14発表した日銀にとっても、バランスシートはある。
負債が大きくなればなるほど、資産も増やさなければならない。
国債か対外資産かというところで国債を守っているのだろう。(もし日本国債が完売しなかったとすると、国債が暴落し、日本はハイパーインフレーションに突入し、国民の生活は崩壊する。)
量的緩和政策は、つまり日銀の当座預金残高を増やすことだけれど、ここでバランスシートがず〜っと増大しており、GDPは90年代から10%落ちて450兆になったにも関わらず、バランスシートが拡大し続けていることに対する日銀の危機感なのだろう。
アメリカのようにドルが基軸通貨である場合は、この量的緩和政策を取っても、ドルの環流システムがある限り存続できる。議会の承認は必要だが。(今、このドル環流システムが、存続できるかどうかで、国際政治上、代理戦争のようになっている。主に、アメリカvsロシアand中国)
円は基軸通貨ではないので、アメリカのようにジャブジャブとは印刷できない。

歴史的には、アメリカが不景気のど真ん中にあった1985年にプラザ合意があり、ドルを安くしないと、アメリカは立ち直らないという前提から、逆にドル安円高が始まり、ドル円はず〜っと落ちてきた。

本来、どこの国でも自国通貨は輸出を考えると、安いほうがいい。日本の円高は実態乖離しているので、誰もがそう判断しているのだが、いかんせん、日銀と財務省だけではコントロールできない。

これはさすがにかなわん、というところで、6/1から中国と日本の間では、固定のペッグ制が始まる。しかし、比率があるので、日本の経済力が戻ったときに、不利にもなるだろう。しかし、今の状況は仕方ないか。
日銀としては、これ以上バランスシートを増やせない。つまり量的緩和政策をこれ以上進めることは、本当は難しいと判断しているのだろう。

これだけ円高が進むと、製造業の海外移転も進み、日本の国力が衰弱するばかり。日本の実態経済に対して、円が強すぎる。
いずれにしても、中国との直接取引は日本の苦肉の策である。たぶん、ギリギリの選択だったと思う。

P.S.はじめペッグかと思ったのですが、直接取引に言葉を換えました。6/1付

アジアの未来

イランと中国が原油の決済で元を使うことになった。
BRICsのポストアメリカ体制の第一弾だが、5年ほど前、イランが円での決済を求めたが、日本は応じられなかった。
原油価格は、108ドルから今日現在、バレルで98ドルあたり。
70年代のオイルショックで原油の独自ルートを開拓しなければならなかった日本は、イランとの関係を築き上げた訳だが、この一点について、アメリカの横やりを跳ね返す気概があったのだが、今や、国内政治のガタガタ状況で、すべてが後手に回っている。
5年前、イランに行った。
まずホテルで目に付くのは、中国人が多いこと。それも企業のマネージャークラスが多く、仕立てのいいスーツを着ていることから分かる。
中国は、2007年に6兆円ほどのプロジェクトを組んだはず。
アメリカにとって原油の決済でドルが使われないと、一大事であり、原油~ドルを利用した世界の資金環流システムに崩れ、ドル安を誘導した自国利益の還流システムも崩れる。
本来、アメリカにとっては、ドル安のほうが原油で上がる利益も増大し、良かったのだ。
あきらかにアメリカの世界覇権に対するアンチテーゼが、このような現実として現れてきた。
アメリカが世界覇権を維持するために刷った国債は、レーガン政権時代に雪だるま式に膨れあがり、5000兆円と言われる双子の赤字として有名である。この赤字前提であっても、世界がドル中心に回るという前提だから維持できていた。ぶっ飛んでも困るが、このままでも困る。
BRICsの中でもロシアは、90年代英米に通貨含めボロボロにやられたので、プーチンの対アメリカ口撃は凄まじい。

ソ連の崩壊で世界の枠組みが変わり、アメリカは、ユーラシア大陸へのコミットメントを強くし、ユーラシアでの敵対勢力を排除することが外交の基本戦略となった。
世界人口の75%を有するユーラシア大陸へアメリカが覇権をどう維持するかに主眼が置かれており、中国に対して包囲網を作る戦略は、一週間ほど前に発表された日米印(日本〜アメリカ〜インド)協定、そしてTPPで明らかである。
アメリカの中国政策は、ニクソンの訪中から始まり、1989年の天安門事件を契機にしているだろう。天安門もおかしな話で、当時のゴルバチェフ大統領が北京を訪れて、世界中のメディアが集まる中で起こった事件だが、天安門事件を人権問題でクローズアップし、その後に、アメリカの多国籍企業が中国進出を果たしている。

小沢一郎氏の件は、要するにアメリカとの関係で生じた。
検察審査会に提出された検察のでっちあげ報告書の問題は、やっとマスメディアにおいても出てきたが、大きな扱いではないのが残念である。まだ残されている問題は、検察審査会の平均年齢が、30.5歳という確率的にはありえない数字の問題。任意にコンピュータソフトで抽出されたというこのソフト開発に疑惑が生まれている。

特に読売系の報道はひどい。正力松太郎とアメリカの関係でこれはあきらかだが。朝日、毎日もしかり。毎日などは、小沢一郎氏の顔に良い印象をもっていない老婆のコメントも掲載する始末で、マスメディアがこんな世間の印象批評を掲載するのだから、すでに終わっている。(顔については、中央の朝廷から平和的独立を果たそうとして東北の英雄アテルイを参照してほしい。アテルイについては、高橋克彦氏の「火怨」でよく理解できる)
日本は、新聞とTVが株を持ち合っており、これはメディアが権力を持ってしまわないために、欧米では禁止されている。というか根拠のない空気に便乗しているだけだと思う。
ただ、週刊誌は同じ系列であっても、新聞と方針が異なる記事が出てくる。系列内でも小沢氏をめぐるマスメディア報道のあり方に疑問を有し危機感を持っている記者たちが、相当数存在することが分かる。週刊誌は、新聞や下請けをこき使うTVのように恵まれていない。ぎりぎりの経営の中から本当のことを言わないと生き残れないという週刊誌の内部状況が生まれているのかもしれない。

反米でも非米でもない(これは小沢一郎氏の言葉だが)世界の多極化がすでに始まっている事実を理解し、アジアの国同士で戦争を起こさせたり、内部分裂を画策する良からぬ動きをけん制し、この豊かな地域から次の時代が躍動してくることを祈っている。
アジアは一つではないが、多様性を相互に認めて豊かに礼節をもって生きる存在の豊かさが鍵となる。キリスト教は聖典を元にしたあのアルフレッド・ゴア元副大統領が言った「聖書の民よ、集まれ」で代表される。アジアは違う。違う良さがある。

先日調べていたのだが、古代日本と古代インドをつなぐものがある。キーワードは「螺旋」だと思った。縄文の土器に直線はなく、すべて螺旋。また、ガンジーが影響を受けたジャイナ教は古神道に通じるものがあるのだろう。
いずれ書こうと思う。

明治以降、日本はヨーロッパを使って整理をしてきたところがあるので、アジアについては、疎い。文化も宗教も。
井筒俊彦氏の初期の作品でソクラテス以前を扱った「神秘哲学」という初期の重要な著作があるが、そこで、ディオニソスがアジアから来たと。これまた知らなかった。

台湾や中国の友人たちが懐かしい。

8/1付
米、中国の銀行に制裁 イランとの取引で
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012080101001246.html

MacbookAirを買ってしまった

ポストモダンの状況で、爆発的に増大する情報量を人はコントロールできない、だから近代に戻ってみる、そう言ったのは、P・ドラッカーだった。
最近、2012年12月にマヤ歴が終わるという関係で、文明の終焉を語った書籍が出てきている。
そんな中でもきちんとロジックを踏まえた著作もある。
本屋でふと手に取った「文明はなぜ崩壊するのか」レベッカ・コスタ著。
マヤでも複雑化する状況を人間がコントロールできなくなり
次の世代に持ち越されていった。
干ばつ、水不足(21世紀の大問題でもある)で生じた環境の激変に対して
マヤでは思い込みのスーパーミームが現れたという。
生け贄などがその例。
本の中では5つのスーパーミームを紹介している。
複雑になりすぎた結果、人間が対応できずに出現してくるスーパーミーム。
著者はこの解決として、ひらめきを語る。
それもチームとしてのひらめき。

複雑な案件に対しては、一人で取り組むより、チームで取り組んだほうが、その解決を見いだしやすい。
これは仕事でもそうだろう。

日本では、このひらめきを理論化した功績として、市川亀久彌、湯川秀樹の両人が拓いた創造工学がある訳だが、分かりやすく紹介すると、昔、プロジェクトXという番組で、JRの自動改札を開発した沖電気の技術者が、なかなかうまくいかず、迷惑をかけまくって落ち込んだところで、自然の中で川の浅瀬を見ていると、流れ去る葉が、石を回り込んで流れていく様を見て、はたとひらめき、切符を葉に見立てて自動改札機に流した発明で乗り切ったという話がある。
元が自然にある。
日本の物作りの強さも自然から学んでいる強さとしてあった。
ここが、他の先進諸国と徹底的に日本が異なるところになる。

複雑化が進むということは、エントロピーが増大するということでもあるので
このエントロピーを減じるもの、つまりネゲントロピーは
日本人の場合、自然とつながる命から発露されていると考えている。
ネゲントロピーは、物理学者のシュレディンガーが確か20世紀の初めに唱えた概念で
日本では岩波からページは少ないけれど中身がぎっしり詰まった文庫本として語られ、まだ発売されている。

少し話しは飛ぶが、しかめっ面ばかりしているより、はたと膝を打つような快感が大切になるので
その環境づくりとして、久しぶりにmacを買った。

macは確か鈴木メソッドという日本の児童教育をベースにした開発の歴史があるはず。
漢字トークの時代からpantherまで使っていたが、pantherの後、intelに変わってしまったので、
その後止まり、Airの薄さとパワーに、これだったらいけそうというところで購入した。

別に道具だから何を使おうがいいと言えばいいのだけれど、
目から脳につながる道具は、よ〜く考えないと、
その道具の傾向をモロに受けている。

この文章もmac ATOKで書いている。

音声認識ソフトを多用していのだけれど、amivoiceは、parallels for macで動かすには、厳しかった。Airがi7 memory4Gにparallels搭載。
(何で日本人は、1.7倍もキーを打たなあかんねん、という理由で、親指シフトで打っていたときもあるが、F10キーの変換ができないことであきらめた)
話の脱線ついでに書くと、音声認識ソフトはwindowsで行い、DROPBOXでmacとつなげることで
テキストを持ってくることにした。

スマートフォンは、第一世代のREGZAフォン(このスマホは厳しい)からiPhoneに変えようとしているけれど
デザリングができないので、香港製のiPhoneをdocomoのXiで使うかどうか検討しているところ。
docomoはSIMフリーだから可能なんだけれど、西新宿に見に行ったdocomoショップの社員が
偉そうに派遣のスタッフの人たちを使っているのを見て、やっぱりdocomoは嫌だなあ、auにしたいと思ってしまった(笑)
どうしてあんなに偉そうにしているだろう。まるで勘違いしたプライドに乗っかる官僚のようだった。
私の一番嫌いなタイプ。違う人もいるとは思うが。。。。

MACはショートカットキーが優れているので、使っているとドライブというかスピード感が出る。
ターミナルを開くと、ベースがUNIXだと分かる。
コマンドを打ってみる。おお、pwdで現在のディレクトリ、lsでファイル表示、これでsshきくのか。
なるほど。
丈夫な訳だ。windowsのようなブラックボックスじゃないもんなあ。

私はジョブズの信奉者ではないけれど、この薄さは気に入った。

映画ライラの冒険に出てくる相棒のような動物になってくれたら嬉しい。

EUと中国 そして世界の多様化

ウォールストリート・ジャーナルによると、ユーロが落ちそうで落ちないのは
ユーロが中国の外貨準備高とリンケージされているからだ、ということらしい。
これは分かる。今までだったら、1.2あたりをめざしても不思議はなかったはず。

ギリシャ、スペインと続き、普通だったら急落するはずだが落ちない。

これは、世界は多極化していることの証になっており、ニュース情報が現実と異なっているのも、この多極化を捉え切れていないからだろう。

逆に言うと、年初だったか、中国の成長率が落ちたとき、オーストラリアも影響を受けた。

米vs中国の国際政治が、こういうところでもつながっている。

ドル円は季節柄、5月にガッツリ落ち、その後、上げに転じるだろう。まずは95円くらいをめざすことになるだろう。少し遠い先、110円まで戻れば、海外での生産から日本国内に戻すことができ、地方のシャッター通りが消えていくことになる。しかしこれには、日銀の金融緩和政策、riskのonかoffか、日米の金利差など条件がある。やはり、リーマンショックが歴史のターニングポイントになっており、つぶしてみたらあれだけの激震が走り、世界全体をインフレにもっていかなければ、奈落の底に落ちたあの事件は、今後の通貨供給のあり方を決定づけている。しかし、これまたインフレで原油が上がれば、原油高とリセッションは非常に関係が深いため、調整につぐ調整となり、ドル高のトークアップがなされているのが現状。
2007年の7月にガソリン価格は180円をつけ、その1年後、2008年9月にリーマンショックが起こったことは、この裏付けとなるだろう。元々は、アメリカのヘッジファンドが、利潤を上げにくくなった状況から、数学的に非常に複雑なデリバティブを開発し、全体のパイが大きくなって投資収益を得られると錯覚させところに原因がある。
M・フリードマンの学説は、恐慌を前提とするため、シカゴ学派が彼の記念館を作るというプロジェクトに、一部強力に反対した学者たちもおり、その良心をまだ持っている人たちがいることに、アメリカの希望を見たい。
ドルはまだ世界の基軸通貨ではあるけれど、4月のBRICS共同宣言では、ドルに依存しないことを初めて発表し、彼らは、ポストアメリカの時代に向けて、着々と準備している。
何十年か経てば、通貨バスケットの時代に突入するかもしれない。

NASAのオーロラ映像

NASAのオーロラ映像をMichael König氏が編集。
素晴らしい。

本サイトは、http://vimeo.com/32001208

もうひとつ私のお気に入り。
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた宇宙。

以前書いた私のBLOGより引用
黄金率について少し紹介すると、オウム貝やひまわりの種の配列、そしてマツボックリやツクシの螺旋が大きくなっていく比率と銀河系の渦巻きが大きくなっていく比率は等しい。また、オウム貝の渦巻きを500万倍に拡大するとハリケーンの渦巻き雲になる。
この比率は、また人間のDNAにも見られ、1単位の長さと幅の比率も同じ。自然界のいたるところで見いだされる。頭のつむじも同じなのだろう。
この黄金律は、数学のフィボナッチ数と呼ばれる。
フィボナッチ数とは、隣り合った数を横に数で順次足していくとできあがる数列で、0,1,1,2,3,5,8,13・・・と続く。
次に、右の数字から左の数字で割ってみると、数が大きくなればなるほど、1.618に限りなく近づいていく。5÷3=1.666、8÷5=1.600、13÷8=1.625と続けると、限りなく1.618に近づく。

仙台でのプロジェクトから考えたこと

今参加しているiSPPという震災の支援団体で、ひとつのプロジェクトが立ち上がった。
「仙台8万人の力」というプロジェクトで、仙台に住む小学生たちが、それぞれにメッセージを書いた応援旗を作り、200枚集まった。
その応援旗はひとつひとつが集まって全体にひとつの文字を織りなす。
それは
「光」
「絆」
ミクロのようにズームインフォーカスして、ひとつひとつの応援旗に焦点があたったり、ズームアウトして、光・絆という全体の言葉になったりする。

光、絆という言葉は、子供たちが選んだ言葉と聞いた。

大人たちも今、この星の上で生きていく上で、生活から仕事まで、もう一度捉え直すことに迫られるまるで鏡になるようなイベントだ。
自分の裡にある「光」「絆」。
本当はみんなにあるものだと思う。

いのちは光を発している。昔NHKの特番「生命」でも紹介されていたが、生命が発生する瞬間、光が生まれる。
生まれたときはピカピカであっても、社会の中で、それはそれはいろんな意識や常識や制度やら、いのちを活かすことを見失った外側の世界に知らず知らずのうちに基準をとられ、それだけが人間の人生のようかに思いこんでいる大人にとって、固い殻をいのちの内側から転換する力が、いのちの光には秘められている。

今度は個から全体に話しを移してみよう。
組織は、学校もそうだが40人くらいを越すと一人でマネージメントできるキャパシティを越えてしまう。だからこそ、会社には理念が必要となり、NPOにはミッションが大切になる。社員を活かせる会社は、そのど真ん中にしっかりとした文化が根付いている。個と全体の関係は、そこにある。だからこそ、優れた代表は何のために仕事をやっているのかを何度も何度も繰り返して話し、理念も深められ書き直しもする。代表は売り上げ数字の元を作る会社の状態が分かっているので、社員に対しては師として働き、社会に対しては慈善活動に近くなり小さなエリアでは地域、大きくは地球までを視野に収め、売り上げは結果となる。世の中不景気になろうが、強い会社は強い、その理由はここにある。
難しいのは社会の変化するスピードがとてつもなく速くなり複雑になっているので、育てている時間が無いため個人の能力に益々依存するようになっていることだろうか。

人間もそして他の生き物も、すべては次の世代のために生きているということが真理だが、次の世代に教えられることもある。
人間ひとりでは変われない。
愛する人や大切にしている人がいて始めて、人は変われるし成長できる。
人間って本当はすばらしい生き物だと思う。

サトウのメンチカツ

サトウのメンチカツを買うために行列の中で待っている間、吉祥寺の街は、秋の夕暮れで優しい光にみちていた。

休日で街もくつろぎ、笑顔で華やいでいる。
ささやかだけれど生活に暖かさがこもる人たちが行き交う。

高校1年の時、当時好きだった同級生の女の子から年賀状をもらった。
そこにはこんな言葉が書いてあった。
「群衆の中でこそ、孤独を感じる」
言葉は正確ではないかもしれないが、そういうメッセージだった。
彼女は聡明だったけれど、大学の教職には、まだまだ分厚い男社会の壁に阻まれ、就職した。
お父さんから譲り受けた政治観が、彼女を女性としては、疎外していく、そんなふうに感じていた。そしてお付き合いは成就しなかった。

街は自己組織化の網目を拡げ、その枝には、男と女、良いものが欲しい、そういう市場経済の要素が一つ一つエンジンとなって空間を作っている。

今日は、妻が大好きなサトウのメンチカツを、ナント、40分並んで買う秋の夕暮れ也。

全然孤独じゃないんだけどなあ。彼女、幸せに暮らしていて欲しい。



吉祥寺さとう:tel0422-21-6464

よくあるけど大切なこと

あなたってこういう人だよね、
その言葉を聞くと、
君が勝手に決めてんだろう、と言いたくなる。

人はもっと豊かな可能性を持っているにもかかわらず、なぜ人間を規定するような言葉が出るのか。

ペルソナ(仮面)で安心しあう人間の意識は、社会生活を営む上で、簡単便利ななまけものの手法にしか過ぎず、自分が意識で作り上げているアイデンティティーは、本当の自分でないかもしれないのに、せっせせっせとその意識で牙城を固めている自己防衛の悲劇としか言えない。

内部の声を止めること。ノイズを払ってみること。

自然、大いなる働き。

昔、山岳部だったので、多くの山に登った。

今でも登る。

一人で山に入り、夜を迎える。
テントから出て、寝袋一つで、星空を見上げる。

山に同化していく。目が慣れてくる。

始めは音に恐怖を感じるが、次第に無くなり、山に同化していく。

太陽とともに起きる。

鳥の鳴き声が祝祭のように美しい。

Steve JobsとMAC

知り合いからSteve Jobsの追悼をする会に誘われて、思ったこと。

MACは、あのドライブ感が好きだ。Powermac8100を当時メモリ積んで80万円くらいで購入し、爆弾マークが出ても、ひたすらひたすら耐えてメーカーの悪口も言わないという、それはそれはMAC信者だった^^;

昔、アップルの仕事をやっていたとき、お客さんと取引先という主従関係があまりなく、リゾーム的というか、課題があったらチームでそこにベストで挑むという文化で、面白かった。

Jobsは、賛否両論あるけれど、死の間際までいった人間の、ある何かが核になっているんだろうなあと思っていた。でないと魂が導かれるままに、とか出てこないでしょうし。ここはアメリカがJobsを経営者のモデルとして、社会全体のイノベートを図ろうとしても、なかなか実際には出てこないところにもなっているかと。

否のところは、ある意味、勝てば官軍なので、ウォズニアックはキツかっただろうなと思う。

Jobsは死ぬ間際に、何を考えたんだろう? それはappleの未来ではなくて、家族のことだったんだろうなあと思っている。

家族と会社がアンビバレントな関係になっていたことが、哀しいところだが、その埋めようのなかった隙間は、自分の子供に対して、お父さんはどう生きていたかを知ってもらうために、出版しているという、そこに託されていると思う。

心の目が開くこと

先日、小林秀雄さんのCDを聴き直ししていた。その中で
「君たちは、文字に託しているだろう」
というメッセージを受け取った。
文字に託す=それで良しとするのはやめなさい、というメッセージ。

これは文字だけの話ではない。

自分を何かに託したところから、考えることを停止してしまう。

頭で入れた情報は、すべて2次情報。

心の目が開くこと。

世界で何が起こっているのだろう

ギリシャ債務危機からドルが買われ、なんだ、結局、危機の際はドル買いかと。
つまらない。
今、何が動いているんだろう。

ブレトンウッズの維持に向けたアメリカのなりふり構わない戦略。
アメリカは世界最大の債務国なので、基軸通貨のドルが崩壊すると国家の崩壊となる。
石油で作り上げた20世紀の体制は、石油&ドルの歴史。

8月、中国がアメリカ国債を売り払い、無国籍通貨の金を買ったときに、アメリカの9月以降の戦略が決まったのだろう。

リーマン以降のQE1,QE2に引き続き、来春QE3も示唆されている。

紙幣をじゃぶじゃぶ刷らないと、回避できない。世界的なインフレ。そしてスタグフレーションの可能性。

2013年半ばまでアメリカは金利の引き上げをしないという表明。
買われる円。
75円に仕掛けられたノックイン債が、大量に存在し、切った場合、72円までが視野に入ってしまう。

日銀の介入で80円弱まで戻すものの、協調介入ではないため、ずりずりと下げている。8兆円という最大規模の介入だったのだが。
円高で、任天堂は1000億の赤字。

世界の覇権がユーラシア大陸に移動するにつれて、アジア系通貨が高い。日銀の介入が賛同されていないのも、元高、ウォン高が公認されているから。日本一国が円安にもっていこうとしても、アメリカは認めません、というメッセージ。

そして世界各国、政治が機能しなくなってきている。
日本然り。これは更に加速するだろう。しかし、この加速とは逆に国家による管理が更に進む。避けたい事態だ。

トルコ、インド、NY、地震が続くのは、90年代の半ばに地球が地殻変動期に入ったから。太陽の黒点活動が落ちている。NHKの特番でも放送されたが、11年周期だった黒点活動が、戻らない。あと1-2年でその答えが出る。

そんな何でもありの世界と地球状況で、2012年まであと二ヶ月となった。

東北、日本の復興が世界の手本になればと思う。

魂をこめて仕事をする、これが最近大切にしていること。

アメリカの債務危機

8月2日がアメリカの債務引き上げ期限となっている。
金融マーケットは緊張が続いている。
ドル円は76円88銭まで円高となっている。
ドル危機が円・スイスフラン・金に流れている。
ドル円については、ミセスワタナベ(日本の個人投資家はこう呼ばれる)を中心に
円売りドル買いのポジションを持っている。
現在の円売りドル買いのポジションが10兆円まで積み上がっているという。
3月の日銀介入予算が8000億円だから
いかに積み上がっているかが分かる。
このロングポジションがロスカットされると。。。
72円くらいまで円高になる可能性がある。

8月2日を乗り切ったとしても、15日くらいまでは、この調整続く。

世界各国で共通して起こっていることのひとつは
政治が今までのように機能していないということ。

アメリカ然り、中国、韓国も然り。
複雑系で言うバタフライ理論がネットを通して波及する。
しかしこれは表層的なこと。
深層で起こっていることがある。