雨ばかり続いた天気が終わり、気持ちのいい晴天だった。
近所の善福寺川公園で寝そべり日向ぼっこ。
帰ってから「古事記」を読み直す。
なんて豊かなんだろう。
黄泉の国に行ってしまったお母さんに会いたさがつのって、泣いてばかりいるスサノオが、ヤマタノオロチを退治して英雄となる話や、天と地の両方に光を照らしていたサルタヒコがアメノウズメと夫婦になる話には男性性と女性性のカップリングを見るし、釣り針をめぐって意地悪兄からあいじめられていた弟が、助けを得て、その逆を行うことで、豊かになる話をはじめ、尽きない面白さが詰まっている。
タブーが無いと思う。うんこやおしっこも出てくるし、そこから神も生まれる。無いのは原初のタブーである近親相姦くらいじゃないだろうか。近いのは確か下巻に夫婦を取るか兄妹の関係を取るかで迫られる姫の話が出てくるくらいだろうか。あらゆる出来事が生じては顛末を得て、物語が進んでいく。
夜は、本を整理して、昔購入した星野道夫さんの写真集VOL.4に見入っていた。
海面に、遊泳するザトウクジラの尾っぽが現れ、夕焼けの光が玉となって空間に拡がっている。
雄大なアラスカの自然を感じながら、今、地球にとって人間は自分勝手で邪魔な存在になっているんじゃないだろうか、と感じ出した。