2週間前にA型インフルエンザにかかった。
39度まで熱が上がり、お医者さんに直行してタミフルをもらった。
なんだかそれ以来、仕事のテンションが下がりまくりで、早々に切り上げては、小説ばかり読んでいる。
梶山季之著 赤いダイヤ、黒の試走車、せどり男爵数奇譚、現代悪女伝。
服部真澄 最勝王。
東野圭吾 秘密、容疑者Xの献身。
そして頭山満 幕末三舟伝。
などなど。
病気から回復に向かう間、世の中のルールからズリ落ちたような気がしたけれど
これはいっそのこと仕事はやりすぎず、気ままな生活を送ってみよう、と決めたら
面白い日常が始まった。
料理が楽しい。
4.5キロの骨付きハムが送られてきて、あまりの大きさにびっくり。
妻に見せるために写真を撮っておいて、早速、スライスにかかった。
いつもステンレス包丁しか使っていないのだけれど、仕舞ってあった有次の包丁を使った。
大きくスライスして、残った骨にはまだハムがくっついている。
さて、どうしたものかと思案していると
そうだ、スープを作ろう、と思い立った。
次に人参を切り、キャベツを切り、たまねぎも。そして、ニンニクを4つばかり大鍋に入れ
クツクツと煮込むこと3時間。
途中で味見をしてみると、これが美味い。
こんなに美味しいスープを自分で作ったのは初めてだと感心する。
妻も絶賛。
うれしい!
大鍋なので、まだまだある。
壇一雄の小説で料理が出てくるシーンを思い出す。そういえば壇さんも大量に作っていた。
10月に中国で美味い上海蟹を食べてから、変なものを食べると一日調子が悪い。
自分の体に今日は何が食べたいかを素直に聞いてから外食をすることにしている。
次にアートに触れたくなる。
突然漫画を描きたくなりスケッチブックとB鉛筆を買う。そういえば小学生のとき、少年サンデーの4コマ漫画で入賞したことを思い出す。
突然、シンセサイザーが欲しくなる。デジタルビデオカメラを買い換えたくなる。
また熊野に行きたくなる。
日本って自由だなあ、と思う。小室直樹さんが橋爪大三郎さんとの対談で語られていたのだけれど
日本人は規律のある宗教は向かない、と。だからイスラム教は日本に定着しない、と。
ついでに書くと、欧米の神は働かないけど、日本の神さまはよく働く、と。
世の中のルールを外れて見てると、人々の生活は暖かく、泣いたり笑ったりしながらも、愛しい気持ちになってくる。
あ、これ、とっても大切だなあと実感。